【ゼロから学ぶWeb3】メタバースとは?概要から具体例までを解説!

●メタバースとは

メタバースとは、「Meta(超越)」と「Universe(宇宙)」をかけ合わせた言葉で、アバターを通じてコミュニケーションを行える仮想空間、およびそのサービスのことを指します。

元々は、作家ニール・スティーブンソンのSF小説「スノウ・クラッシュ」に出てくる仮想空間の名前から派生しました。

メタバースサービスの中では、自分自身を投影したアバターでのコミュニケーションのほか、イベントを体験したり、商品の売買といった経済活動を行うことができます。

メタバースは新規の単語に思われがちですが、仮想空間上で会話したり経済活動を行うことは、まったく新しい概念というわけではありません。2003年にLinden Lab社からリリースされた「Second Life」というタイトルでは、アバター同士でのコミュニケーションがすでに行われていました。現在のメタバースは、VRや3Dモデリングなどの技術が進化し、以前より充実した体験ができるようになったために話題を呼んでいます。

また、「仮想現実」とも訳されるVR(Virtual Reality)と混同されやすいのですが、VRはあくまで没入感を高めるための3D技術。コミュニケーションを取ったり経済活動をしたりする仮想空間そのものであるメタバースとは区別されます。

室長「メタバースは仮想の空間そのもの。VRは現実のような没入感を得るための技術だ。」

●メタバースによってできること

メタバースによってできることは、以下の3つに集約されます。

①アバター同士でのコミュニケーション

②場所を選ばないやり取り

③VRをつなげれば現実に近い体験が得られる

①アバター同士でのコミュニケーション

メタバースのサービスでは、基本的に自分自身を投影したアバターと呼ばれるキャラクターを使ってコミュニケーションを取ります。キャラクターを使用することで、外見等に影響されないフラットなコミュニケーションを実現できます。

②場所を選ばないやり取り

メタバースはバーチャルの空間であるため、ネット環境と対応のデバイスがあればどこからでもアクセスできます。

こうした、居住している地域を選ばないコミュニケーションが、ビジネスでもメタバースが活用される要因となっています。

③VRをつなげれば現実に近い体験が得られる

メタバースにどう接続するかはそれぞれのサービスによって方法が異なりますが、多くのサービスはスマホやPCがあればアクセスできるよう設計されています。

しかし、VRに対応しているサービスでは、やはりVR機器を使うのがおすすめ。より高い没入感を得ることで、現実の世界と同じような臨場感でイベントを楽しんだり、交流をすることができます。

新米研究員「新しいSNSのようなイメージですね!」

●メタバースの活用例

メタバースを活用した例には、以下のようなものがあります。

・オンラインイベント

・バーチャルオフィス

・バーチャルショップ

●オンラインイベント

メタバースの代表的な活用例のひとつが、仮想空間上で行われるオンラインイベント。現在ではビジネスカンファレンス、ライブ、講演会など、さまざまな形態のイベントがメタバース上で行われています。

また、オンラインアクションゲームである「フォートナイト」では、戦闘がないシステムである「パーティーロイヤル」というモードでの音楽ライブを実施。米津玄師などの日本人アーティストもライブを行うなど、盛り上がりを見せています。

●バーチャルオフィス

新型コロナウィルスにより、世界ではリモートワークが当たり前の働き方になりました。しかし、リモートワークではコミュニケーションが不足しやすいという難点もあります。

それを解決するのが、バーチャルオフィスのメリット。仮想空間上にオフィスを設置することができれば、アバター同士でリアルタイムに交流したり仕事をしたりすることが可能となり、リモートワークの欠点を克服することができます。

●バーチャルショップ

仮想空間上に作られるオンラインショップも、メタバースの活用方法として目立ってきています。ユーザーはアバターを通じ、お店の中を歩き回ることができたり、実際に買い物をすることもできます。

例えば、人気ゲームプラットフォームである「Roblox」では、仮想空間上にForever21やNIKEがバーチャルショップを展開し、話題となっています。

●メタバースサービスの具体例

フォートナイト

フォートナイトは、2017年に公開された、Epic Gamesが配信するオンラインゲームです。ユーザーはバトルロイヤルやサンドボックスなど、複数のゲームモードを楽しむことができます。

その中でメタバースの要素となっているのが、バトル要素を排したゲームモードである「パーティーロイヤル」。このモードでは、友人とミニゲームやコミュニケーションに興じることができます。さまざまなアーティストによるバーチャルライブも行われており、ますますメタバースとしての盛り上がりを見せています。

Roblox

Robloxは、ユーザー同士で作成したゲームを共有したり遊んだりすることができる、オンラインゲーミングプラットフォームです。ユーザーは他の人が作ったゲームをプレイできるほか、仮想通貨「Robux」を支払うことでアバターの服などを購入することができます。

特にアメリカでは子供に人気のプラットフォームであり、ユーザーは述べ1億人以上。Forever21やNIKEがバーチャルショップを展開したことでも注目を浴びているメタバースです。

The Sandbox

The Sandboxは、ブロックチェーン技術を導入している代表的なメタバースのひとつ。マインクラフトのようなボクセルによって、アイテムやキャラクターが作られています。

The Sandboxにおいては、メタバース上でコミュニケーションが取れるだけでなく、LANDという仮想空間内の土地を売買したり、アイテムやキャラクターをNFT(替えが効かない、一点モノのデジタルデータ)として制作・販売することができます。こういった経済活動を行えるのが、The Sandboxの魅力です。

VRChat

VRChatは、アメリカのVRChat Inc.が運営するソーシャルVRプラットフォームです。Oculus RiftなどのVRヘッドセット、またはWindowsでプレイすることができます。

VRChatの特徴は、Unityというゲームエンジンの環境を通じて、ユーザーが作ったアバターやワールドを反映できること。こうして反映されたワールドなどをユーザー同士で楽しむこともできるプラットフォームとなっています。世界でも利用者数が非常に多いタイトルであり、今後の動向も注目されています。

cluster

clusterは、クラスター株式会社が提供するメタバースプラットフォームです。VRChatのメニューが英語のみであるのに対し、clusterは日本企業が運営していることから、日本のユーザーが参入しやすいのが特徴。ワールドやイベントを作ったり、その中でユーザー同士が交流したりすることができます。

室長「どれもメタバースの醍醐味に触れられるサービスだ。ぜひ試してみてくれ。」

●まとめ

副室長「メタバァーーーーーーーース!!!! とは!!!!」

<この記事の要点>

・メタバースとは、アバターを通じてコミュニケーションを行える仮想空間、およびそのサービスのこと

・メタバースの特徴は、アバター同士でのやり取りや、場所を選ばないコミュニケーション、VR対応のサービスなら現実に近い体験が得られること

・メタバースはオンラインイベント、バーチャルオフィス、バーチャルショップなどで活用が進んでいる